D∨(パートナーや配偶者からの身体的・精神的・経済的暴力)について

 時に「なぜ付き合っているのだろう」「なぜ許しているのだろう」「なぜそこまで我慢しなければいけないのだろう」と思うようなエピソードを聞くことがあります。誰しもが意見の食い違いなどから激しい口論や諍いの経験や見聞はあると思います。ただDVは、加害者が自分の思うように相手を支配や制御する(強制する)ということが特徴です。

 また、それらのことが被害者の人権を蹂躙し、身体的、精神的、経済的にも重大なダメージを与えます。しかし、様々な理由から被害者が、そのダメージにすら気が付かないことが多いです。「怒らせる自分が悪いからだ」、「自分が未熟だから」、「相手にも良いところがあるはずだ」など、自分を否定することを優先してしまいがちです。誰にも相談ができずに、被害者であった人が加害者になってしまう悲しい出来事があるのも事実です。

 また、加害者も加害している意識を持てていない場合もあります。あるいは気が付いていてもコントロールできなくなっている状況にある人もいます。「現実を見る・知る」、そして「誰かに相談する」ことは思っている以上に勇気のいることです。それでも自分や他者を不本意に傷つけることをしないためにどうしていったらよいのか、話し合う場を持てたら、と考えています。

 実際に深刻なD∨が起きている時は「カウンセリング」よりも何よりも「身の安全」です。男性も女性も身の危険を感じているのであれば、相手がどんなに同情できる背景にあってもまずは身を守るために、逃げなければならない時もあります。次のHPをご参照いただき、必要な時はすぐに連絡を取ってください。

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森近三智恵
森近三智恵