「発達障がい」に関わるご相談について

 「発達障がい」という言葉がよく聞かれるようになったのは「発達障がい支援法」が施行されてからの約20年ほど前からだと思います。「発達障がい」には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD、学習障害)などがあります。

 その診断を望む場合は、手続きとして、精神科かメンタルクリニックを受診し、問診と検査を受け、診断をあおぐ、ということが一般的な流れになります。診断が出て、ご本人が望めば、精神障がい者手帳を取得します(取得しなくても良いです)。また作業所や障がい者雇用という選択肢もあります。このような支援の流れや形は整ってきています。

 一方、それらの手続きを活用する立場でみると、発達障がいの方の中には、自尊心が低くなりがちな傾向(表面に現れる形はそれぞれですが)があり、現実的な検討が困難な方もいらっしゃいます。時に厳しい現実に気持ちを大きく揺さぶられ不安定になることもあります。それでもそれぞれのプロセスで、何が正解なのかを迷いながら、葛藤しながら決断、選択をして進めていかなければなりません。

 手続きとしては整ってきていても、どこまで納得して、決断できるのか、選択できるのか、ということは、個人の価値観と、置かれている環境に委ねられるところです。

 特別な事としてとらえすぎる必要はないとは思いますが、それまでの決断に敬意を払いながら、これからの生活も少しでも「生活がしやすくなる対策」を一緒に考える場所として活用していただけるよう私も尽力したいと思います。

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森近三智恵
森近三智恵